筋トレの翌日に筋肉痛があると、「完全に休むべきか、軽く動いた方がよいか」と迷うことがあります。判断するときは、痛みの有無だけでなく、痛みの強さ、日常動作、腫れ、力の入り方を一緒に確認します。
筋肉痛の時は休むべき?軽く動いてもいい?
痛みが軽く、日常動作やフォームに大きな変化がなければ、散歩などの軽い運動や、痛くない部位のトレーニングは選択肢です。痛みが強い、動作が崩れる、腫れや強い脱力がある場合は、痛む部位に負荷をかけず休みます。軽く動いて痛みが一時的に和らいでも、回復が完了した証拠ではありません。
なぜ軽く動くと楽に感じることがあるのですか?
遅発性筋肉痛は、慣れない運動や、筋肉が伸ばされながら力を出す動作の後に起こりやすく、関節可動域や筋力が一時的に低下することがあります。研究レビューでは運動による痛みの軽減は一時的であること、別のメタ解析ではアクティブリカバリーによって主観的な筋肉痛が小さくなる可能性が報告されています。ただし、痛みが減ったことだけで組織の回復状態を判断することはできません。
自分で確認する3つのポイント
- 歩く、座る、腕を上げるなどの日常動作で痛みが増えないか
- いつものフォームや動かせる範囲が大きく崩れていないか
- 軽く動いた後や翌日に、痛みや腫れが強くなっていないか
問題がなければ、負荷と回数を下げて様子を見る方法があります。強い筋肉痛が残る部位を高負荷で追い込む必要はなく、痛みの少ない部位を選ぶ方法もあります。身体の張りや動かしにくさが気になる場合は、筋トレ後に身体が硬く感じる時の確認ポイントもご覧ください。
休んで医療機関へ相談すべきサイン
鋭い痛み、関節の痛み、増えていく腫れ、動かせる範囲の大きな低下がある場合は、通常の筋肉痛と決めつけず運動を中止してください。CDCは、予想より強い筋肉痛、茶色やコーラ色の尿、強い脱力や疲労を横紋筋融解症の主なサインとして挙げています。これらのいずれかがある場合は直ちに医療機関へ相談し、トレーニングやストレッチを続けないでください。
Focus.では種目と負荷をどう調整しますか?
Personal training Focus.のパーソナルトレーニングでは、筋肉痛が始まった時期と部位を聞き、実際の動作で痛みやフォームの変化を確認します。その日の状態に合わせて負荷や回数を下げる、動作を簡略化する、影響の少ない部位へ変更するなどの調整を行います。トレーナーがけがを診断することはなく、医療的な確認が必要と考えられる場合は運動を進めません。

次回の筋肉痛を強くしすぎないために
久しぶりの運動や新しい種目は、最初から量を増やさず段階的に進めます。Cheungらのレビューでも、新しい運動は1〜2週間かけて徐々に導入することが提案されています。前回の筋肉痛が始まった時期と強さを記録し、同じ重さに固定せず、その日の動作を基準に調整します。
自分で休養と運動の判断をしにくい方は、トレーナーと一緒に、使っている筋肉、フォーム、痛みが増えない負荷を確認できます。
著者:片倉豪士。大学で医学を学び、10年以上のトレーニング指導経験があります。医師ではなく、本記事は診断や治療に代わるものではありません。
参考文献
- Cheung K, Hume P, Maxwell L. Delayed onset muscle soreness: treatment strategies and performance factors. Sports Med. 2003;33(2):145-164.
- Dupuy O, et al. An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques. Front Physiol. 2018;9:403.
- CDC/NIOSH. Signs and Symptoms of Rhabdomyolysis. Updated January 14, 2025.
