FOCUS. JOURNAL

動ける体とは?日常動作に必要な筋力と鍛え方

Personal training Focus.で女性トレーナーが利用者のピラティス動作を確認している様子

「階段が前より重い」「椅子から立つときに手を使う」「荷物を持って歩くと疲れやすい」。こうした変化があると、筋力だけを鍛えればよいのか、柔軟性も必要なのか迷うことがあります。

結論からいうと、動ける体は筋力だけで決まりません。まず困っている日常動作を一つ選び、その動作に必要な筋力、可動域、バランス、持久力を分けて確認します。

動ける体とは何ですか?

この記事では、動ける体を「自分が行いたい日常動作を、過度な負担なく行える状態」と考えます。必要な能力は動作によって異なり、立ち上がりでは脚の筋力と身体の傾け方、歩行では筋力に加えてバランスや持久力も関係します。

全員に共通する一つの種目で判定するのではなく、「何を楽にしたいか」から逆算することが大切です。

筋力だけを鍛えれば動きやすくなりますか?

筋力は大切ですが、それだけで十分とは限りません。力があっても必要な範囲まで関節を動かしにくい、片脚で安定しにくい、長く歩くと疲れる場合は、可動域、バランス、持久力も確認します。

厚生労働省の成人向け情報では、個人差を踏まえて強度や量を調整し、筋力トレーニングを週2〜3日取り入れることが示されています。また、抵抗を使う筋力トレーニングで関節可動域が改善したとするシステマティックレビューもあり、筋トレをすると必ず身体が硬くなるとは判断できません。詳しくは、筋トレと身体の硬さに関する確認ポイントをご覧ください。

日常動作に合わせて何を鍛えればよいですか?

最初に、困っている動作を具体的にします。同じ「動きにくい」という感覚でも、必要な運動は同じではありません。

  • 椅子からの立ち上がりや階段:脚の筋力と姿勢のコントロール
  • 買い物袋を持つ:握る力、背中と脚の筋力、体幹の安定
  • 長く歩く:脚の筋力、持久力、無理のない歩行ペース
  • 振り向く、手を伸ばす:動作に必要な可動域と、その範囲を支える力

最初からすべてを増やすのではなく、目的の動作に必要な要素から順に練習します。筋力を高める場合も、重さ、回数、セット数は目的や運動経験に合わせて調整します。Focus.のパーソナルトレーニングでは、動作を確認してから種目を選びます。

自分で確認するポイントはありますか?

比較する相手は他人ではなく、同じ条件で行った以前の自分です。次の項目を記録すると、感覚だけでなく変化を確認しやすくなります。

  • 楽にしたい日常動作を一つから三つ選ぶ
  • 同じ椅子や階段を使い、回数、時間、主観的なきつさを記録する
  • 左右差、ふらつき、痛みの有無を確認する
  • 速さや重さを上げる前に、動作が崩れていないか確認する

転倒が心配な動作を、一人で無理に試す必要はありません。安全を確保できない場合は、専門家に動きを確認してもらってください。

Focus.の体験ではどう確認しますか?

体験時は、まず困っている動作と目的を伺い、狙った筋肉を使っている感覚があるかを本人にも確認してもらいます。複数の関節を同時に動かす種目が分かりにくい場合は、あえて単関節運動に絞って動きを簡略化し、種目と負荷を調整します。

単純な動きで感覚をつかんだあと、必要に応じて立つ、押す、引くなどの日常動作に近い運動へ戻します。最初から難しい種目や重い負荷を前提にはしません。

痛みがある場合も運動を続けてよいですか?

痛み、しびれ、急な筋力低下、強い腫れ、息苦しさ、めまいがある場合は、運動を中止して医療機関へ相談してください。この記事は診断や治療の代わりではなく、運動可能な状態を前提にした一般的な情報です。

何を鍛えればよいか分からない方は、90分体験で動きと負荷を確認することができます。

参考文献

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨事項一覧.
  2. Alizadeh S, et al. Resistance Training Induces Improvements in Range of Motion: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Medicine. 2023;53(3):707-722.
  3. Currier BS, et al. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2026.

執筆・監修:片倉豪士|Personal training Focus.代表(大学で医学を学び、トレーナーとして指導。医師ではありません)

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