減量できた後に体重が戻ると、「自分は意志が弱い」と考えてしまいがちです。しかし、体重が減ると身体が小さくなる分だけ必要なエネルギー量は変わり、食欲や消費エネルギーにも適応が起こり得ます。以前と同じ生活へ急に戻せば、体重が戻りやすくなるのは不思議ではありません。
リバウンドを完全にゼロにすると約束する方法はありません。大切なのは、減量期の終わりから維持期へ計画的に移ることです。
なぜ体重は戻りやすいのか
減量中だけのルールを使っている
主食を一切食べない、毎日長時間運動する、外食をすべて断るなど、短期間しか続かない方法では、終了と同時に反動が起こりやすくなります。
体重減少に合わせて消費量も変わる
体重が軽くなると、同じ距離を歩くときに必要なエネルギーも一般に少なくなります。さらに、エネルギー不足への適応として、予測以上に消費エネルギーが下がる「適応性熱産生」がみられる場合があります。ただし、その程度には個人差があり、必ず減量を妨げるほど大きいわけではありません。
食欲と環境が元に戻る
忙しい日の買い置き、飲み会、睡眠不足など、体重が増えた頃の環境を変えないままでは、行動も戻りやすくなります。意思ではなく、食べる場面と選択肢を整える必要があります。
維持期に行う7つのこと
1.目標体重を一点で決めない
水分、塩分、便通によって体重は日々動きます。「60.0kgを超えたら失敗」ではなく、例えば60〜62kgのように維持範囲を設定します。1日の数字ではなく、週平均の流れを見ます。
2.食事量を急に戻さない
目標に届いた翌日から自由食へ切り替えるのではなく、2〜4週間かけて食事量と体重の変化を確認します。減量中に作った朝食、間食、外食のルールから、維持できるものを残してください。
3.毎食にたんぱく質源を置く
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを食事ごとに取り入れます。たんぱく質を比較的多く含む食事は、満腹感や除脂肪量の維持を助ける可能性があります。ただし、量を増やすだけで自動的に痩せるわけではなく、食事全体で考えます。
4.筋力トレーニングを続ける
減量が終わっても筋力トレーニングをやめず、週の予定へ残します。重量を伸ばす時期でなくても、フォームを保ち、生活で動ける身体を維持する役割があります。
5.日常の活動量を落とさない
歩数、階段、買い物、家事など、運動以外の活動も維持に関わります。減量中だけ多く歩き、終わったら座る時間が増える、という戻り方に注意します。
6.早めに小さく修正する
維持範囲を数週間超える傾向が出たら、飲料、間食、外食回数、歩数を一つずつ確認します。極端な断食へ戻るのではなく、増えた要因を絞って小さく修正します。
7.睡眠とストレスを記録する
睡眠不足や忙しい時期は、食欲と行動が乱れやすくなります。体重だけでなく、睡眠時間、空腹感、予定の詰まり方を記録すると、増える前のパターンに気づけます。
増えた翌日にやってはいけないこと
- 食事を一日抜いて帳尻を合わせる
- 急に長時間の運動を追加する
- 水分変動をすべて脂肪増加と考える
- 失敗と決めつけ、記録をやめる
塩分や炭水化物が多い食事の翌日は、水分で体重が一時的に増えることがあります。普段の食事と活動へ戻し、数日から1週間の傾向を確認します。
減量と維持は同じ計画の中にある
Focus.では「何kg落とすか」だけでなく、その後に何を続けられるかまで相談します。食事サポートは月4回コースの料金に含まれ、筋力トレーニングと必要に応じたピラティスを組み合わせます。
今の状態を見せる90分体験では、現在の食事、過去の減量方法、戻りやすかった場面を確認し、短期で終わらない進め方を整理します。
参考文献
- Nunes CL, et al. Does adaptive thermogenesis occur after weight loss in adults? A systematic review. Br J Nutr. 2022. PubMed
- Leidy HJ, et al. The role of protein in weight loss and maintenance. Am J Clin Nutr. 2015. PubMed
- Hall KD, Guo J. Obesity Energetics: Body Weight Regulation and the Effects of Diet Composition. Gastroenterology. 2017. PubMed
